鈴木賢建築設計事務所 SATOSHI SUZUKI ARCHITECT OFFICE        <<back

 旭丘のアパートリフォーム−入居率の低下した木造アパートの再生計画−


■concept

<現状>
敷地は私鉄駅前の商店街沿いで適度な賑わいがある。
近くに2つの大学があり学生も多い。
現状は2階建の木造アパートが2棟建っている。
東棟は全て空室で、1階が店舗2室、2階は風呂なし共同トイレの6畳1Kが1室と4.5畳1Kが2室。
1階は店舗用のためか極端に柱・壁が少ない。
東日本大震災の影響は見られないが、入居者がいて積載荷重があれば違っていたかもしれない。
西棟は風呂なしトイレ付1Kの6畳1室と4.5畳3室で1,2階同プランの構成で計8室。入居率は6割程度。
南、東にそれぞれ道路がある角地に位置するが南側は2項道路の私道。
以前新築ワンルームマンションの建替案を計画したが、2項道路のセットバックで敷地面積が減り、しかも高度斜線等が厳しく容積率を消化出来ないため採算が悪く断念した。


<再生案>
限られた面積の中で現在の学生のニーズに即したスペックとし快適性やセキュリティに配慮する。
築後相当年数を経た構造部材の強度確認を行い、耐震性を向上させる。
事業性にも配慮し効果的なコスト配分を行う。

具体的には
・洗面付ユニットバス(いわゆる2点セット)を採用し、トイレはセパレート
・2棟の共用ゲートとしてオートロック付門扉を設置
・開口部には電動シャッターを設置
・西棟は1フロア4室→3室とし階段寸法を建築基準法に対応させる


■data

・所在地:東京都練馬区
・用途:共同住宅10戸(東棟:6畳1K4戸・西棟:6畳1K4戸・4.5畳1K2戸)(貸室延床面積156.78u)
・構造/規模:W造地上2階建/186.59u(東棟76.14u・西棟106.48u)
・設計期間:2011年8月〜2011年9月

・外装
 屋根:カラーガルバリウム鋼板t=0.4 竪はぜ葺
 外壁:カラーガルバリウム鋼板t=0.4 平葺
 鉄骨階段・バルコニー:溶融亜鉛めっき仕上

・内装
 天井:PBt=9.5の上、ビニールクロス(一般品)貼
 廻縁:塩ビ製(底目)
 壁:PBt=12.5の上、ビニールクロス(一般品)貼
 巾木:オレフィンシート貼(既製品)h=60
 床:複合フローリングt=18


■memo

あくまでも概算工事費による試算だが
概算工事費:約45,000,000円(税抜)(坪単価:約885,000円/坪(税抜))
賃料を10,000円/坪とし入居率を80%としても10年程度で工事費を回収することが可能

高度成長期に都市部では同様の木造アパートは多数建設されている。
現在の経済状況下において、既存住宅ストックの活用の面からも有効で汎用性のある計画だと思われる。